株の売買は、『株を買いたい人の注文』と『株を売りたい人の注文』が一致したときに初めて成立します。…ということは、株を売りたい人がいないと株を買うことはできません。こちらが注文を出す前に、【買いたい人はいくらの株価で買いたいのか?売りたい人はいくらの株価で売りたいのか?】という情報を知らないと、株の売買はできないこともあります。
その情報を得るためには、板を見る必要があります。買いたい人の集合体を買い板、売りたい人の集合体を売り板と呼びます。この説明だけでは不十分でピンとこないと思いますので、実際に板の見方について具体的にご説明します。
まず下の表を見てください。これが板と呼ばれるものです(マネックス証券のマーケットボードプロという無料サービスから引用しています)。上段の青い数字部分が売り板、下段の赤い数字部分が買い板です。

例を上げて説明しますと、売り板の1376円のところを見ると、売りたい人が12,000株を指値で注文を出しています。(これは、1人の人が12,000株の売り注文を出しているのか、2人の人が「10,000株」と「2,000株」の売り注文を出しているのかはわかりません。) 同様に買い板で見てみると、1375円では、11000株の買い注文を出していることがわかります。
■それでは、あなたが『この株を今すぐ欲しい場合』は、どうすればいいでしょうか?
…答えは、成り行き注文を出すです。すぐに買い注文の出せば、売り板の一番安い値段、すなわち1376円で買うことができます。“売り注文1376円の12000株に自分の買い注文をぶつける』というイメージがわかりやすいかもしれません。(この場合、指値買い注文で1376円を指定しても同じ結果になります。)
■次に、『この株は欲しいけど、1376円で買うのは高いからイヤだ!今すぐでなくていいから、できればもっと安く買いたい!』と思った場合は、どうすればいいでしょうか?
…答えは、買ってもよいと思う値段で指値買い注文を出すです。例えば、1360円で1000株欲しい場合は、【指値買い注文・1360円・1000株】という注文を出してください。そうすると、買い板の1360円1000株という表示が1360円“2000株”という表示に変わると思います。これは自分で出した注文が買い板の上にのったということです。
現在の株価(1376円)よりも低い株価で注文を出していますから、注文した1360円より高い買い注文がすべて成立した場合のみ、この株を買う順番がまわってきます。指値を下げるということは、株を安く買える代わりに、買える順番が遅くなるということです。
☆板を見ずに成り行き注文で買ってしまうと、とんでもなく高い株価で買うおそれがあるので、注文する前にあらかじめ板を確認しておくと安心です。
株を買うとき(売るとき)に値段の参考になるのが板(いた)と呼ばれるものです。
この板を読めるようになると株の売買がとてもスムーズになります。
板情報は証券会社の口座を開設して、ログインをし個別の銘柄の情報を見れば誰でも簡単にみることができます。
例えば、以下の板は2009年2月のある日の【7203】トヨタ自動車の板情報です。

左側の上部と右側に株の数量が並んでいるのがわかると思います。
左側の数字は「この値段で売りたい」という人、右側の値段は「この値段で買いたい」という人がどれだけいるかを表します。
それぞれの数字に書かれている数は、その値段でどれだけの株数の注文が出ているかを表します。
株の売買はある値段で売りたい人と買いたい人がいた場合のみ成り立つので、上の図の上体では売買は成立しません。
ただし、上のような板の場合であれば、一株につき3,190円出せば370,000株は買うことが出来ますし、3,200円であれば53,300株は売ることが出来ます。
銘柄によってかなり異なりますが、この板情報は刻々と変化を続けているので、売買が活発な銘柄については、つねに最新の情報を手に入れながら売買の決定をする必要があります。
また、成行注文の数量は板情報に反映されないので、この点についても意識しておくと良いでしょう。
このような買値と売値の指値情報を集めたものを「気配値(けはいち)」と言います。
買いが優勢の時は「買い気配」、売りが優勢の時は「売り気配」と呼ばれるのも覚えておくと良いでしょう。
一般的に買い気配のときは株価が上昇、売り気配のときは株価が下落していくことが多いです。
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「逆指値」について話をしていこう。
指値や成行に比べると、まだ歴史の浅い注文方法だけれど、
使いようによっては、非常に便利な注文方法だ。
では、早速内容に入っていこう。
まず最初に、逆指値という注文方法の定義からおさらいをしていこう。
逆指値注文とは、通常の指値注文とは違い、
「指定の株価以上になった時に買い注文を発動」
あるいは、
「指定の株価以下になった時に売り注文を発動」
させる注文方法のことだよね。
買う場合は安い株価の方がいいので、現在の株価よりも安い株価を指定するのが
通常の指値注文。
これに対して、現在の株価よりも高い株価を指定しておいて、指定した株価以上になった時に限って
注文を発動させるのが、逆指値注文だ。
例えば、現在の株価が500円の株があったとする。
その株には、通常の指値の場合、500円以下の株価を指定して、買い注文を出す。
(仮に、501円以上の株価で指値注文をした場合は、即座に注文が約定してしまう)
ただ、逆指値の場合は、501円以上の株価を指定して買い注文を出すことになる。
そして、その株が500円よりも上昇しなかった場合は、逆指値注文は画面上にも表示されず、
いつまで経っても約定せず、実質上は“注文なし”と同じような扱いになる。
しかし、もしその株が501円以上になり、指定していた株価に到達すると、
注文が発動するというわけだ。
逆指値注文は「逆“指値”」というネーミングだが、注文執行は成行で出すことも出来る。
先ほどの例で言えば、「501円以上になったら、成行で買い」みたいな注文方法も可能だ。
逆指値注文で言うところの“指値”は、あくまで注文を発動させる株価を指定する、
という意味のようだね。
で、逆指値を、どのようなときに使うことが多いかと言うと、「決済の時」と、
「ブレイクアウトのトレードルールでのエントリー」が代表的な使い方だろう。
「決済の時」というのは、たとえば、500円で株を買ったとする。
その後、510円まで株価が上昇したのを確認した。
このまま上昇が続くかもしれないし、下落してしまうかもしれない。
でも、ずっと値動きを見ていられる状況じゃない。
と言った場合に、「まぁ、505円まで下がってしまったら、
利益確定するために売っちゃおう」なんて場合に、逆指値を利用する。
逆に、500円で買った株が、そのまま下落していたとして
「うわ! 495円まで下がっちゃったら、損切りをしよう」
という場合にも、逆指値を使うことが出来る。
また、「ブレイクアウトのトレードルールでのエントリー」
という場面で使うのは、以下のような場合だ。
ここしばらく、ずっと480円から500円の間を行ったり来たりしている株があったとしよう。
しかし、君の見立てでは、そろそろ上昇するタイミングが来ているのではないか?
という感じがする。
と言った場合に、「もし500円を超えて、 501円の株価をつけた場合は そのまま急上昇する可能性が高い。
だから、501円以上になったら、買い」という逆指値注文を使うという方法があるだろう。
さて、ここまでは逆指値注文の基本編と言うか、少々株を実践している人ならば知っていることだ。
そして、逆指値注文にも、今まで話してきた「指値」「成行」と同じような、あまりスポットライトを浴びない特徴がある。
普通、あまり語られない、逆指値の特徴。
それは、「逆指値の節目は、狙われる」という特徴だ。
以前(と言っても、10年ほど前だが)は、個人のトレーダーには「逆指値」という注文方法は
ほとんど許されていなかった。
ところが、ネットでのトレードが主流になり、「普段、ザラ場を見られない人でも
お手軽に売買ができるように」と、逆指値注文ができる証券会社が増えてきた
という経緯がある。
ずっとザラ場を見ていられる人で、損切りをためらいなく遂行できる人にとっては、
逆指値という注文方法は、特に必要ないからね。
自動売買を使う人や、平日は別の仕事をしていてザラ場を見ていない
人のために開発・開放された注文方法と言えるだろう。
この経緯自体には、まったく問題はない。しかし、この逆指値注文が流布すればするほど、
株価の節目での値動きが、“素直”ではなくなったと思うのは、私だけだろうか?
株価の節目というのは、例えば先ほどの例で言えば「480円から500円の間を行き来していた株の501円」とかが、それに当たる。
また、シンプルに「1,000円」とか「1,200円」とか、キリのいい株価も
“株価の節目”と言えるだろう。
人間の観察眼なんて、それほどたくさんのバリエーションがあるわけではない。
「ここら辺で、ブレイクするだろう」
「この株価になったら、あきらめよう」
「この株価で買いたいな」
なんて思う場所、株価というのは、個人個人で、それほど大差はない。
なので、市場参加者のみんなが、大体同じような場所・株価で
逆指値注文をつけたがる。
すると、どういうことが起こるか?
個人個人の注文は少なくても、まとまれば大きな株数になる。
大きな株数になると?
そう。大きな資金を持っているメインプレイヤーの格好の“エサ”になる可能性も増えるということだ。
資金が大きいから、身動きがとりにくい機関投資家などのメインプレイヤーが、ワザと“わかりやすい株価の節目”を超えさせたり、割らせたりする。
そして、個人の逆指値注文を発動させて、その後メインプレイヤーの有利な値動きに
「させられてしまう」。
というのは、充分考えられるシナリオだ。
ここからは、全くの想像だが、逆指値の注文は、すべて証券会社に発注される。
個人は、どんな株価で、それぞれの逆指値の注文が出ているのかを確認することはできない。
いままでの逆指値の特徴を、実践に活かすとしたら、君なら、どういう方法を思いつくだろう?
自分が逆指値を使うときはあからさまに分かりやすい“株価の節目”には設定しない、という防御策もあるだろう。
あるいは、メインプレイヤーが、どのように考えて逆指値を「利用」してくるかを考えてみるのも
いいかもしれないね。
いずれにしても、逆指値という便利な機能は、充分に使えばいいと思う。
ただし、どのような人が、どのように使っているのかだけは、
イメージをしておいた方が、痛い思いをしないで済むだろう。
